第10回海洋文学大賞作品の決定について(H18.5)
募集期間 | 平成17年8月15日(月)~平成18年2月28日(火) |
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募集結果 | 応募総数405点 (海洋文学賞部門197点、海の子ども文学賞部門208点) |
選考会
海洋文学賞部門 | 平成18年5月30日(火) |
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海の子ども文学賞部門 | 平成18年5月26日(金) |
特別賞 | 平成18年5月30日(火) |
選考委員
委員長・十川信介(学習院大学文学部教授)、
北方謙三(作家)、半藤一利(作家)、鈴木光司(作家)、
木暮正夫(児童文学者、日本児童文学者協会理事長)、
上 笙一郎(児童文化評論家)、木村龍治(放送大学教授)
(敬称略)
入賞作品・受賞者(敬称略)
海洋文学賞部門
大 賞
- 「命の「呼子笛」(ホイッスル)」(小説)
- 尾﨑竹一(おざきたけいち)(奈良県奈良市)
佳 作
- 「ウミホタル」(小説)
- 内田聖子(うちだせいこ) (神奈川県綾瀬市)
- 「あお色のかけら」(小説)
- 平川真織(ひらかわまおり) (広島県東広島市)
海の子ども文学賞部門
大 賞
- 「十二の夏」
- 今井恭子(いまいきょうこ) (東京都世田谷区)
佳 作
- 「おばあちゃんの巻き貝」
- 山崎香織(やまざきかおり) (茨城県水戸市)
- 「クジラの海で」
- もり いずみ (福島県いわき市)
大賞受賞者プロフィール
海洋文学賞部門
作品タイトル
「命の「呼子笛」(ホイッスル)」(小説)
内 容
太平洋戦争では多くの民間商船が軍に徴用され物資の輸送にあたったが、護衛態勢も限られたなかで決死の任務を遂行したが、その殆どが海に沈められた。船員の死亡率は大戦に参加した船員の43%にのぼり、陸、海軍の損耗率の実に二倍以上に達した。そんな過酷な任務遂行にあたった若き輸送船の船員が撃沈された船から奇跡的に生還するまでを描き、戦争体験を通し戦争とは一体何だったのかを問うた作品。
受賞者プロフィール
尾﨑竹一・おざき たけいち(本名 =同じ)
大正14年(1925)1月 香川県生まれ。
京都大学卒業。船会社を経て新聞社勤務。(元)海事代理士。 (1965)第5回紀行文学賞受賞。奈良県奈良市在住。
海の子ども文学賞部門
作品タイトル
「十二の夏」
内 容
漁師の家に生まれ育ったが海が嫌いな6年生の亮子が夏休みの宿題として古い新聞記事から課題を見つける自由研究をするため、友人と図書館へ行き、そこで兄の海での死の真実を知る。兄は自分を助けて死んで逝ったのであったというドラマチックなストーリーが魅力的な作品。
受賞者プロフィール
筆 名 今井恭子・いまいきょうこ(本名=隅田恭子・すみたきょうこ)
昭和24年(1949)6月 広島県生まれ。 上智大学大学院修士課程修了。
第21回「らいらっく文学賞」受賞、第12回「小川未明文学賞」大賞受賞。第7回「盲導犬サーブ記念文学賞」大賞受賞、他多数受賞。東京都世田谷区在住。
特別賞受賞者
作家
塩野七生・しおの ななみ
授賞理由
「レパントの海戦」「海の都の物語」「続海の都の物語」「ロードス島攻防記」「コンスタンティノープルの陥落」など、外国を舞台にした、海洋に対する憧れと夢があり、中世の地中海における船舶とその運航形態に関する描写がきわめて的確な作品を多く執筆し、多くの国民に海と人々の深い結びつきや海や船への関心を高めた功績。
特別賞受賞者プロフィール
昭和12年(1937)7月、東京生まれ。学習院大学文学部哲学科卒業後、1963年か1968年にかけて、イタリアに遊びつつ学んだ。1968年に執筆活動を開始し、「ルネサンスの女たち」を「中央公論」誌に発表。初めての書き下ろし長編『チェーザレ・ボルジアあるいは優雅なる冷酷』により1970年度毎日出版文化賞を受賞。この年からイタリアに住む。1982年、『海の都の物語』によりサントリー学芸賞。1983年、菊池寛賞。1992年より、ローマ帝国興亡の一千年を描く「ローマ人の物語」に取り組み、一年に一作のペースで執筆中。1993年、『ローマ人の物語Ⅰ』により新潮学芸賞。1999年、司馬遼太郎賞。2001年、『塩野七生ルネサンス著作集』全七巻を刊行。2002年、イタリア政府より国家功労賞を授与される。2005年、紫綬褒章を受章。イタリア在住。
賞 金
次の賞金と記念品を贈呈
海洋文学部門
大賞100万円(1作)、佳作20万円(2作)
海の子ども文学賞部門
大賞50万円(1作)、佳作10万円(2作)
特別賞
賞金200万円
贈賞式
日 時 | 平成18年7月25日(火) |
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会 場 | 東京・船の科学館(品川区) |
この事業は、日本財団と(財)日本海事広報協会の 共催により実施しています。