第4回海洋文学大賞作品の決定について(H12.5)
募集期間 | 平成11年7月20日~平成12年2月29日 |
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募集結果 | 応募総数538点 (小説・ノンフィクション部門232点、童話部門306点) |
受賞作品
小説・ノンフィクション部門
大 賞
- 「寛政猿兵衛師」(小説)
- 安土 肇 (静岡県静岡市)
佳 作
- 「海難秘話 もう一つのタイタニック」(ノンフィクション)
- 大内建二 (宮城県仙台市)
- 「グラムパスの虹」(ノンフィクション)
- 指宿 典 (鹿児島県姶良町)
- 「海流のボニート」(ノンフィクション)
- 瀬戸山玄 (神奈川県川崎市)
童話部門
大 賞
- 「白いサメ」
- 真久田正 (沖縄市那覇市)
佳 作
- 「満月の浜」
- 伊藤 檀 (東京都多摩市)
- 「ぼくらの海」
- 佐藤 かづえ (兵庫県尼崎市)
- 「海のそこの電話局」
- 大庭 桂 (福井県勝山市)
大賞受賞者プロフィール及び大賞作品あらすじ
小説・ノンフィクション部門「寛政猿兵衛師」
受 賞 者
安土肇・あずち はじめ(本名 安部英夫)男性
1939年1月 静岡県清水市生まれ(61歳) 県立清水東高校卒 船舶代理店を経て広告会社でコピーライター、CMディレクターを担当、平成10年に退職後、創作に専念。
あらすじ
寛政十年十月、荷役を終えて長崎を出帆しようとしたイライザ号は、強風のため港内で座礁してしまう。米国人船長スチュワートは、奉行所へサルベージの斡旋を願い入れるが、日本側には6百トンのイライザ号をサルベージできる設備もなければ、経験もなかった。船長は無能で非力な日本の当局者に呆れ果てる。万策尽きた関係者の前に現れたのが、商売で長崎を訪れていた防州の魚商人喜右衛門だった。彼はイライザ号の引き揚げに乗り出す。
童話部門「白いサメ」
受 賞 者
真久田 正・まくた ただし(本名と同じ)男性
1949年5月 沖縄県石垣市生まれ(51歳) 県立八重山高校卒。会社役員。ヨット歴25年、「2000年沖縄サミット記念・サバニ帆走レース実行委員会」事務局長。
あらすじ
イサムが小学校5年生の時、漁に出ていた父親は左うでをサメに食いちぎられた。イサムはいつまでもそのことが頭を離れなかった。そして、今度は父親の仲間がサメに襲われ命を落とした。イサムは一人でそっとサメ退治に向かう父親のサバニに強引に乗り込み、大海原へと向かった。父親はサメとの闘いの末、見事退治したが、燃料がなくなりサバニは洋上を漂い始めた。
特別賞受賞者
作家
吉村 昭
授賞理由
「戦艦武蔵」「深海の使者」「海の史劇」「花渡る海」「漂流」「破船」「アメリカ彦蔵」など、史実を重視し、徹底した取材をもとに人間の生き方や意識のあり方にまでおよんで描写した作品を通じて、多くの読者に日本人と海とのかかわりを知らしめた功績。
注.特別賞選考対象について
著作を通じて海洋文学のジャンル(小説・ノンフィクションの分野に限る)における著作活動において顕著な活躍をされ、すぐれた作品を発表された作家で、現在ご健在の方を対象とする。